縦隔気腫を併発した内視鏡的大腸ポリープ切除後S状結腸穿孔の1例

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  • A case of Sigmoid Colon Perforation After an Endoscopic Colonic Polypectomy with Extensive Mediastinal Emphysema

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抄録

症例は78歳,男性。2008年8月,近医にて内視鏡的大腸ポリープ切除術を施行される。翌日より腹部膨満,腹痛および腹部X線写真にて腹腔内遊離ガスを認め,下部消化管穿孔の疑いで当センターへ紹介となった。CTにて腹腔内遊離ガスおよび広範な縦隔気腫を認めた。同日緊急開腹手術を施行し,S状結腸前壁に長径約8mmの穿孔部を認めた。腹腔内汚染は軽度のため穿孔部の一期的閉鎖を行った。約4横指大に開大した食道裂孔ヘルニアを合併しており,ヘルニア周囲に小気泡の集簇する気腫性変化を認めた。術後経過は良好で第27病日に近医へ転院となった。縦隔気腫を合併した大腸穿孔の報告は散見されるが,いずれも腸間膜側の穿孔から後腹膜を経由した発症の報告例である。本症例は画像所見において後腹膜経路にガス像を認めないことから,食道裂孔ヘルニアを経由した腹腔内遊離ガスの進入により縦隔気腫を呈したまれな症例と思われた。

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