慢性腎不全患者に発症し穿刺ドレナージにより軽快した回盲部穿孔性腹膜炎の1例

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  • A Case of Successful Conservative Therapy for a Perforated Pericecal Peritonitis in a Patient with Chronic Renal Failure

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抄録

症例は71歳男性。慢性腎不全にて65歳時に維持透析導入した。2008年8月中旬下腹部の強い痛みのため受診。急性腸炎の診断で内服治療施行されるも症状改善せず,2日後腹部単純写真にてFree air認め,消化管穿孔による汎発性腹膜炎の診断で入院となる。同日CTではFree airのみで腹水や炎症を疑わせる所見なく,保存的治療を開始した。入院7日目のCTではFree airの増加と回盲部のガスを伴う膿瘍腔を認めたため腹腔内脱気と膿瘍穿刺を行ったところ症状改善し,穿刺後8日目には炎症改善したため経口開始。その6日後,自宅への退院となった。6ヵ月後の大腸内視鏡では回盲部に憩室を認めるのみで,CTでも明らかな異常所見はなかった。重症化しやすく死亡率の高い慢性腎不全患者の回盲部穿孔性腹膜炎に対し注意深い診察と経過観察でドレナージのみで保存的に治療しえた。

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参考文献 (10)*注記

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