成人EBウイルス関連血球貪食症候群5例の検討

書誌事項

タイトル別名
  • Five cases of Epstein-Barr virus-associated hemophagocytic lymphohistiocytosis in adult
  • 症例報告 成人EBウイルス関連血球貪食症候群5例の検討
  • ショウレイ ホウコク セイジン EB ウイルス カンレン ケッキュウドンショク ショウコウグン 5レイ ノ ケントウ

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抄録

Epstein-Barrウイルス(EBV)関連血球貪食症候群(HLH)は,EBV感染T細胞と活性化組織球の相互作用により血球減少や肝障害,凝固障害といった重症病態をひきおこし,小児での報告が多い。今回,成人EBV-HLH5症例を経験したので報告する。年齢は中央値17歳(16∼40歳)で,初感染後,2ヶ月以内に発症した例が4例であり,1例は再活性化のパターンを示した。末梢血EBVゲノム量は2×102−3×106コピー/mlと高値を示し,すべての症例でEBV感染T細胞のクローン性増殖を認めた。治療法は,免疫抑制±エトポシドが主体であり,重症例の2例では血漿交換を施行した。3例は完全寛解(観察期間13, 19, 30か月)を維持しているが,2例は治療抵抗性となり,多剤併用化学療法も効果なく死亡した。<br>EBV-HLHは的確な初期診断,治療が重要であり,今後成人例に関しても認知度をあげていく必要がある。

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 51 (1), 74-79, 2010

    一般社団法人 日本血液学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (15)*注記

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