S-ニトロソ化による心筋活動電位調節について

  • 黒川 洵子
    東京医科歯科大学 難治疾患研究所 生体情報薬理学分野
  • 浅田 健
    東京医科歯科大学 難治疾患研究所 生体情報薬理学分野 シンジェンタジャパン(株) 原体管理グループ スペシャリスト
  • 古川 哲史
    東京医科歯科大学 難治疾患研究所 生体情報薬理学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Nitric oxide and cardiac action potential
  • S ニトロソカ ニ ヨル シンキン カツドウ デンイ チョウセツ ニ ツイテ

この論文をさがす

抄録

タンパク質アミノ酸システインの側鎖のチオール基におけるタンパク質修飾であるS-ニトロソ化は,一酸化窒素(NO)による直接的なタンパク質修飾による機能調節として,幅広く生体機能に関与している.セカンドメッセンジャーであるNOの作用として,これまでよく調べられてきたcGMP依存性の作用に加え,S-ニトロソ化は特に注目を集めている.心臓興奮収縮連関への影響だけでなく,心臓の電気活動を規定するイオンチャネルの機能へもS-ニトロソ化が影響することが最近明らかになりだした.NOはガス状分子であり膜を透過するが,局在化したシグナル経路が存在することも報告されている.そこで,本総説においては,心筋イオンチャネルへのS-ニトロソ化の関与についての最近の知見をまとめ,心臓活動電位への影響について考察したい.

収録刊行物

参考文献 (42)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ