腹腔鏡補助下切除後の機能的端々吻合部に再発をきたしたS状結腸癌の1例

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  • A case report of anastomotic recurrence of sigmoid colon cancer after laparoscopic-assisted sigmoidectomy

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抄録

近年,大腸癌に対する腹腔鏡下手術は急速に普及し,進行癌にまで適応が拡大されつつある.その吻合法では機能的端々吻合(functional end to end anastomosis;以下FEEA)が汎用されているが,近年,本吻合法による吻合部再発の報告例が散見される.今回,腹腔鏡補助下結腸切除術施行後,FEEAを施行した部位に,再発をきたしたS状結腸癌を経験したので報告する.症例は60歳,女性.S状結腸早期癌に対し,腹腔鏡補助下結腸切除術を施行した.術後1年目にFEEA吻合部に再発をきたし,吻合部を切除.腸管内洗浄ののち,経肛門的にcircular staplerにより再吻合した.術後6年7カ月の現在,無再発生存中である.腸管内の洗浄が困難なFEEAに際しては,術中,腫瘍細胞の腸管内散布を予防することが重要であり,腹腔鏡下大腸手術においても,術中の愛護的な鉗子操作と十分な腸管の受動,腸管マージンの確保が重要と考えられた.

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