孤立性上腸間膜動脈解離9例の臨床的検討

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  • CLINICAL EVALUATION OF NINE CASE WITH ISOLATED DISSECTION OF THE SUPERIOR MESENTERIC ARTERY

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抄録

孤立性上腸間膜動脈解離(以下SMA解離)は稀な疾患であり,治療法に関して一定の見解は得られていない.今回,われわれは1995年1月から2008年12月までの間に,孤立性上腸間膜動脈解離と診断した9症例の患者背景,発症様式,症状,治療法および転帰について検討した.<BR>9例全例が男性で,平均年齢は56.8歳であった.8例は造影CT,1例はMRIにて診断した.8例に喫煙歴を認め,5例が高血圧の既往を持っていた.偽腔開存型解離が4例,偽腔閉鎖型が5例であった.全例が降圧療法,抗凝固療法,抗血小板療法などの保存的加療で良好な経過が得られている.<BR>SMA解離は,多くの場合保存的治療が有効な予後良好な疾患である.ただし,偽腔開存型SMA解離症例は偽腔閉鎖型に比して,より慎重で長期的な経過観察が必要であると考えられた.

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