S状結腸間膜裂孔ヘルニアの1例

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  • A CASE OF TRANSMESOSIGMOID HERNIA

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抄録

症例は30歳,女性.下腹部痛および嘔吐を主訴に来院.腹部単純X線および腹部CT検査にて著明な小腸の拡張像および鏡面形成を認めイレウスと診断.さらに骨盤付近にループ状に拡張した造影効果が不良な腸管を認めた.以上より,内ヘルニアによる絞扼性イレウスを疑い同日緊急手術を施行した.手術所見は,S状結腸間膜に径1cmの異常裂孔が存在し,回腸末端から140cmの小腸が約10cm嵌入し暗赤色に変化していた.用手的にイレウスを解除し観察したところ,絞扼腸管の色調は改善を認めたため腸切除は行わず,裂孔部を閉鎖し手術を終了した.術後経過は良好で第10病日に退院した.S状結腸間膜の穿通性欠損部に腸管が嵌入する成人のS状結腸間膜裂孔ヘルニアは非常に稀な症例であり,文献的考察を加えて報告した.

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参考文献 (23)*注記

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