癌化学療法によるE‐セレクチンの発現亢進とシメチジンの抑制効果

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  • E–selectin Elevation Induced by Anticancer Chemotherapy and Suppression of This Change by Cimetidine

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抄録

目的:癌化学療法がE-セレクチンの発現に及ぼす影響と,それに対するシメチジンの抑制効果を前向き試験で明らかにする.対象と方法:胃癌6例と大腸癌8例,合計14例を対象とした.化学療法は経口フッ化ピリミジン系薬剤を使用したレジメンとし,シメチジンは6週間以上併用投与した.経時的に静脈血を採取し,血清中の可溶性E-セレクチン濃度を測定した.結果:可溶性E-セレクチン値は,化学療法単独投与で上昇し(p = 0.034),化学療法とシメチジンの併用で低下した(p = 0.043).さらに併用後,シメチジンのみ中止すると上昇する傾向にあった(p = 0.068).結語:化学療法は血清可溶性E-セレクチン濃度を上昇させ,シメチジンはそれを抑制する効果がある.このことから,シメチジンが化学療法による易転移環境の改善に有用である可能性が示唆される.

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