リツキシマブ投与3カ月後に無顆粒球症を呈したステロイド依存性頻回再発型ネフローゼ症候群の7歳男児例

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  • A case of a 7-year-old boy with steroid-dependent nephrotic syndrome who developed severe neutropenia three months after the administration of rituximab

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抄録

小児の難治性ネフローゼに,リツキシマブが投与され有効であるとの報告が散見される。自験例のステロイド依存性頻回再発型ネフローゼ症候群 (微小変化型) の7歳男児に対し,リツキシマブ (1回375mg/m2) を計4回投与し,有効であった。しかし,投与3ヵ月後に発熱を伴う重篤な無顆粒球症 (好中球0%) を起こした。G-CSF使用により,好中球は速やかに回復している。リツキシマブが投与された他疾患では遅発性 (1~5ヵ月) の好中球減少症発現の報告がある。多くはG-CSF投与で,もしくは自然に回復しているが,好中球減少症が1年続いた例も報告されている。文献上ネフローゼでの報告は見当たらない。小児の難治性ネフローゼに対して,今後リツキシマブの使用頻度が増えることが予想されるが,投与した場合は,少なくとも投与終了後1年間は,重度の遅発性好中球減少症の発現に関して,慎重な経過観察が大切と考えられる。

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