肺癌術後血栓症(肺血栓塞栓症・脳梗塞)予防のための周術期管理―リスク分類に応じた抗凝固療法―

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タイトル別名
  • Perioperative management for thrombosis prevention (pulmonary embolism and stroke) after lung cancer surgery-Anticoagulant therapy based on evaluation of the risk of thrombosis-
  • —Anticoagulant therapy based on evaluation of the risk of thrombosis—
  • —リスク分類に応じた抗凝固療法—

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抄録

【背景】肺血栓塞栓症,脳梗塞などの血栓症発症リスクの高い肺癌手術症例が増加している.【対象と方法】術後血栓症発症予防のため,肺癌に対する肺切除208例を評価群とし,術前のリスク評価に応じて周術期抗凝固療法を行った.直前同期間に施行した肺切除155例を対照群とした.【結果】評価群208例中28例に周術期抗凝固療法を行った.術中から抗凝固療法を施行したのは7例(未分画ヘパリン(UFH)2例,低分子量ヘパリン(LMWH)5例)で,残る21例は術直後から低用量未分画ヘパリン(LDUH)を用いた.対照群に3例(2%)の血栓症発症を認めていたが,評価群には認めず,発症率は有意に低下した(p=0.04).術中出血量は,UFH投与では平均よりも増加したが,LMWH投与では抗凝固療法非施行例と同程度であった.【結論】リスク分類に基づく抗凝固療法は血栓予防効果が高く,安全で,術中からの投与にはLMWHが,術直後からの投与にはLDUHが推奨される.

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