気管支動脈結紮術が有効であった喀血の一例

  • 岡田 嶺
    東邦大学医療センター大森病院 呼吸器外科
  • 秦 美暢
    東邦大学医療センター大森病院 呼吸器外科
  • 笹本 修一
    東邦大学医療センター大森病院 呼吸器外科
  • 阪口 真之
    東邦大学医療センター大森病院 呼吸器内科
  • 渋谷 和俊
    東邦大学医療センター大森病院 病院病理部
  • 髙木 啓吾
    東邦大学医療センター大森病院 呼吸器外科

書誌事項

タイトル別名
  • A case of ligation of the bronchial artery for hemoptysis

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抄録

喀血で緊急入院した33歳男性.気管支鏡検査で舌区入口部に凝血塊を認めたが,可視範囲内に出血源を認めず,CTでも気管支拡張症や慢性炎症像は認めなかった.入院中に再度喀血して低酸素血症に陥り,3D-CTで3mm径に拡張した気管支動脈を認めた.気管支動脈造影を施行したが,気管支動脈から肺静脈への血流が多いため塞栓術は合併症リスクが高いと判断し,左胸腔鏡補助下に両側気管支動脈結紮術を施行した.血痰は術後10日目に消失し,軽快退院した.術後5ヵ月,再発を認めていない.喀血に対する気管支動脈結紮術の報告は本邦で8例みられ,2例が術後1~14年で再発している.喀血に対する気管支動脈結紮術は有用な選択肢であるが,再発に対する術後長期の観察が必要である.

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参考文献 (13)*注記

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