無菌病室における層流中の患者に付随する伴流の動態

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タイトル別名
  • Aerodynamics of Wakes Around Patients in a Horizontal Laminar Airflow
  • ムキン ビョウシツ ニ オケル ソウリュウチュウ ノ カンジャ ニ フズイスル ハンリュウ ノ ドウタイ

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抄録

水平整流式の無菌層流ユニットを備えた模擬バイオロジカルクリーンルームを設置し,その室内のベッド上に患者が生活している環境を設定した。その環境で無菌層流を風速0.3 m/sあるいは0.5 m/sで送ったときの患者周辺に生じうる気流の状況を,標準微粒子(直径0.506μm)を用いて調べた。患者が不在の状態では,風速0.5 m/sの設定のときは0.3 m/sより微粒子の運搬除去能力が高かった。しかし患者が存在するときには,風速0.5 m/sの設定の方が0.3 m/sのときよりも換気回数が低下し(p<0.05),微粒子の運搬除去能力が低下していたことがわかった。その理由は患者のダウンストリーム(患者下流側に生じる渦)による空気の滞留のためと考えられた。風速が大きくなると滞留する空間が拡大し,ゆえに換気能力が必ずしも大きくなるとは限らず,むしろ換気量が低下すると予測される結果が得られた。

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参考文献 (13)*注記

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