閉鎖神経発生と考えられた骨盤内後腹膜神経鞘腫の1例

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タイトル別名
  • A Case of Pelvic Retroperitoneal Neurilemmoma Developing from the Obturator Nerve

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抄録

症例は54歳,女性,2年前からの左下腿の痺れを主訴に近医の整形外科を受診した.左下腿から足底に至る知覚低下を認めるとともに,MRIで左卵巣付近に腫瘤を認めたため,当院産婦人科に紹介受診した.左卵巣粘液性腫瘍の診断のもと手術が施行されたが,術中所見で子宮,両側付属器に異常を認めず,左骨盤内後腹膜腫瘍を認めた.腫瘍は腸骨と仙骨に接し,弾性硬で骨盤内に強固に固定されていた.腫瘍は閉鎖神経に連続しており,術前の神経症状から閉鎖神経由来と考えられた.摘出された腫瘍の病理組織所見はAntoni A型とB型の混在を示し,免疫染色でs-100蛋白陽性であったため神経鞘腫と診断された.左下肢の痺れは残存したものの,術後経過は良好で術後約8カ月の時点で再発を認めていない.

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参考文献 (33)*注記

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