わが国における化学物質管理の現状と課題

書誌事項

タイトル別名
  • The Present Situation and Future Perspectives of the Management of Chemicals in Japan
  • ワガクニ ニ オケル カガク ブッシツ カンリ ノ ゲンジョウ ト カダイ

この論文をさがす

抄録

わが国における化学物質管理の現状と課題:向出貴裕ほか.富山大学医学部公衆衛生学―目的:科学技術の発展とともに,多くの化学物質が労働現場で使用され,環境中に放出されてきた.本総説は,わが国の化学物質管理に関連する法制度について概説し,職域における有害化学物質による危険防止のための予防的対策の将来展望について述べることを目的とする. 方法:化学物質・管理・労働をキーワードに検索を行い,職域における化学物質管理についての文献を入手した.また関係省庁のホームページから,化学物質管理にかかる法令や通達を検索した. 結果および結論:わが国では,化学物質排出移動量届出制度(PRTR)に基づいて,特定の化学物質の環境への年間排出量を報告する制度が開始されている.欧州では化学物質の環境リスク軽減という目標の実現のため,REACH規制(化学物質の登録,評価,認可及び制限に関する規則)と呼ばれる新システムが導入された.今後も人体や生態系への影響という観点から,化学物質のリスク評価を進め,労働行政においても労働者の健康障害を未然に防止するために,化学物質の有害性や曝露状況を考慮したリスク評価を進めなければならない.増え続ける化学物質の使用を受け,環境や労働者の健康保護のために全ての関係者が化学物質の製造や使用に際して,果たすべき責任を明確にする必要がある.<br> (産衛誌2010; 52: 157-171)<br>

収録刊行物

  • 産業衛生学雑誌

    産業衛生学雑誌 52 (4), 157-, 2010

    公益社団法人 日本産業衛生学会

参考文献 (68)*注記

もっと見る

キーワード

詳細情報

問題の指摘

ページトップへ