リウマチ性多発筋痛症に対する漢方治療経験

  • 引網 宏彰
    富山大学大学院医学薬学研究部和漢診療学講座
  • 柴原 直利
    富山大学和漢医薬学総合研究所漢方診断学分野
  • 村井 政史
    麻生飯塚病院東洋医学センター漢方診療科
  • 永田 豊
    富山大学大学院医学薬学研究部和漢診療学講座
  • 井上 博喜
    富山大学大学院医学薬学研究部和漢診療学講座
  • 八木 清貴
    市立砺波総合病院東洋医学科
  • 藤本 誠
    富山大学大学院医学薬学研究部和漢診療学講座
  • 後藤 博三
    富山大学大学院医学薬学研究部和漢診療学講座
  • 嶋田 豊
    富山大学大学院医学薬学研究部和漢診療学講座

書誌事項

タイトル別名
  • Case Reports of Polymyalgia Rheumatica Successfully Treated with Kampo Medicines
  • 臨床報告 リウマチ性多発筋痛症に対する漢方治療経験
  • リンショウ ホウコク リウマチセイ タハツキンツウショウ ニ タイスル カンポウ チリョウ ケイケン

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抄録

リウマチ性多発筋痛症(PMR)に対して,漢方治療が奏効した5症例について報告する。さらに,これら5症例を含む当科でのPMR治療例10例について検討した。その結果,有効症例は6症例であった。そのうち,1例はステロイド剤の投与を拒否した症例であったが,他の5症例は筋痛症状や炎症反応の出現により,ステロイド剤の減量が困難な症例であった。また,1例を除いて,CRPは3.0 mg/dl以下であった。一方,無効症例では高度の炎症反応を示しており,ステロイド剤の投与が必要であった。有効症例には駆瘀血剤(疎経活血湯,桃核承気湯,桂枝茯苓丸,腸癰湯加芍薬,薏苡附子敗醤散,当帰芍薬散)が投与されていた。以上より,PMRでステロイド剤の減量が困難な症例や炎症反応が軽度である症例には,漢方薬は治療の選択肢の一つとなりうると考えられた。さらに駆瘀血剤の積極的な使用がPMRの治療に有用である可能性が示唆された。

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参考文献 (6)*注記

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