披裂軟骨内転術後の咽喉頭腫脹

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  • Pharyngolaryngeal Findings after Arytenoid Adduction

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抄録

披裂軟骨内転術は,一側声帯麻痺患者の嗄声を改善させる有用な手術の一つである.しかし,披裂軟骨筋突起周囲を操作するため,術後に披裂部を中心とした腫脹を起こす.腫脹が高度の場合には気管切開が必要となることがあり,術後早期の経過観察については注意を要する.しかし,術後の咽喉頭粘膜の腫脹を詳細に検討した報告は見られない.今回,われわれは,当科で披裂軟骨内転術を施行した一側声帯麻痺患者8例について,術後の咽喉頭を鼻咽喉ビデオスコープを用いて経時的に観察し,粘膜の腫脹を評価した.評価項目を1)患側声帯膜様部の腫脹,2)患側披裂部の腫脹,3)患側梨状陥凹の腫脹とし,術後咽喉頭粘膜腫脹の変化と,腫脹が最大となる時期に影響する因子,評価方法の妥当性について検討した.結果,術後咽喉頭粘膜腫脹は術後2日目以降に強くなり,腫脹が最大となるのは術後3日目から4日目であった.また,本評価方法の結果は,検者間で差がなかった.

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