慢性骨髄性白血病患者にHydroxyurea投与後出現した外か及びしょう部潰ようの1例

  • 稲福 寿史
    琉球大学医学部器官病態医科学講座皮膚科学分野
  • 稲福 和宏
    琉球大学医学部器官病態医科学講座皮膚科学分野
  • 宮城 嗣名
    琉球大学医学部器官病態医科学講座皮膚科学分野
  • 野中 薫雄
    琉球大学医学部器官病態医科学講座皮膚科学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Cutaneous Ulcerations in a Patient with Chronic Myeloid Leukemia during Hydroxyurea Therapy
  • 症例 慢性骨髄性白血病患者にHydroxyurea投与後出現した外顆及び踵部潰瘍の1例
  • ショウレイ マンセイ コツズイセイ ハッケツビョウ カンジャ ニ Hydroxyurea トウヨ ゴ シュツゲン シタ ガイカ オヨビ ショウブ カイヨウ ノ 1レイ

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抄録

Hydroxyurea(以下HU)は,慢性骨髄性白血病(以下CML)の治療薬として現在外来で広く使用されているが,本剤を長期にわたって維持投与された症例に下腿潰瘍を合併したとする報告例が増加している。症例は57歳の男性。1997年9月CMLと診断され,HUの投与(1000~1500mg/日)が開始された。投与12ヵ月後,外顆部に有痛性の潰瘍が出現し始め,近医にて種々の外用療法を行ったが改善はみられなかった。潰瘍出現の原因検索と潰瘍治療法の選択のため,当科紹介入院となった。病理組織学的には真皮中層から深層にかけて小血管と結合織の増生,炎症細胞の浸潤を軽度認めた。血管壁の膨化や変性はなく,血管炎の所見も認められなかった。本症例の潰瘍の原因は,うっ滞性,糖尿病性,血管炎性などが疑われた。入院4日目よりHUを中止し,アクトシン®軟膏外用の保存的治療で約2ヵ月で略治したのでHUによる潰瘍と診断した。HU中止後3年6ヵ月の現在に至るまで潰瘍の再発はみられない。

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 67 (1), 23-26, 2005

    日本皮膚科学会西部支部

参考文献 (7)*注記

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