デポジット制度がリユースペットボトルの需要に及ぼす影響

  • 沼田 大輔
    福島大学経済経営学類
  • 馬奈木 俊介
    東北大学大学院環境科学研究科 環境・エネルギー経済研究分野 財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)

書誌事項

タイトル別名
  • Studying the Effect of Deposit-Refund Systems on Demand for Reusable PET Bottles through Consumer Surveys
  • デポジット セイド ガ リユースペットボトル ノ ジュヨウ ニ オヨボス エイキョウ

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抄録

ペットボトルは,高い回収率であれば,リユースがワンウェイよりも環境負荷を減らしうることが示唆されている。このため,昨今の日本では,ペットボトルのリユースをおこなう場合の回収率を高める方策の検討が求められている。この回収率を高める方策としてデポジット制度の活用が考えられる。しかし,デポジット制度は購入時にデポジット分だけリユースペットボトル入り製品の価格を上昇させるため,リユースペットボトル入り製品の需要が減少する懸念がある。本稿では,デポジット制度が組み込まれた環境省リユースペットボトル実証実験において,消費者にアンケートをおこない,デポジット制度がリユースペットボトル入り製品の需要に及ぼす影響について,実証分析をおこなった。その結果,宅配販売のリユースペットボトル入り製品が,4本入り1箱の単位で販売され,1本あたり20円のデポジットが適用されることで,その製品が値上がりしたと感じる消費者については,リユースペットボトル入り製品の需要を減らすという示唆を得た。また,デポジット額に対する感想は,リユースペットボトル入り製品の需要に影響を与えないという示唆も得た。

収録刊行物

  • 環境科学会誌

    環境科学会誌 23 (5), 381-393, 2010

    社団法人 環境科学会

参考文献 (12)*注記

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