経過中に腸間膜巨大デスモイド腫瘍が発生しAPC遺伝子異常が確認された孤発性Gardner症候群の1症例

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  • A Case of Sporadic Gardner's Syndrome Accompanied with a Giant Mesenteric Desmoid Tumor with APC Gene Mutation

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抄録

症例は38歳男性.生来健康で,特記すべき家族歴なし.34歳時,自覚症状はなかったが検診で便潜血反応陽性を指摘された.内視鏡検査で胃・大腸ともに数ミリから1cm大の100個以上のポリープ病変がみとめられた.大腸病変の1個に腺癌が認められ内視鏡での定期観察を受けていたが,38歳時腹部腫瘤,腹部膨満感を自覚するようになり,CTで径28cmの巨大な腹腔内腫瘤が確認された.開腹にて腫瘍および回腸・十二指腸・膵一部合併切除,右半結腸切除,上腸間膜動脈再建術を施行し,病理組織学的に腸間膜デスモイド腫瘍(線維腫症)と診断された.また,入院時の血液検査にてAPC遺伝子の変異が確認された.術後は内視鏡および画像検査にて経過観察しているが5年以上経過するも再発はみとめられていない.本症例は経過中に腸間膜デスモイド腫瘍を合併し,APC遺伝子異常が確認された孤発性Gardner症候群で興味深い症例と考えられた.<br>

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