漢字単語の読解力にかかわる音読力と聴覚的理解力の貢献度について―定型発達児,発達性dyslexia児における検討―

  • 土方 彩
    筑波大学大学院人間総合科学研究科
  • 宇野 彰
    筑波大学大学院人間総合科学研究科 NPO法人LD・Dyslexiaセンター
  • 春原 則子
    目白大学保健医療学部 NPO法人LD・Dyslexiaセンター
  • 金子 真人
    帝京平成大学健康メディカル学部 NPO法人LD・Dyslexiaセンター
  • 粟屋 徳子
    東京都済生会中央病院リハビリテーション科 NPO法人LD・Dyslexiaセンター
  • 狐塚 順子
    埼玉県立小児医療センター保健発達部 NPO法人LD・Dyslexiaセンター
  • 後藤 多可志
    目白大学保健医療学部 NPO法人LD・Dyslexiaセンター

書誌事項

タイトル別名
  • Degrees of Contribution to Kanji Word Reading Comprehension from Reading Aloud Capability and Auditory Comprehension-Comparison between Non-Reading Deficit Children and Developmental Dyslexic Children-
  • —Comparison between Non-Reading Deficit Children and Developmental Dyslexic Children—
  • —定型発達児, 発達性dyslexia児における検討—

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抄録

小学5, 6年生の定型発達児28名と発達性dyslexia児8名を対象に, 漢字単語の読解力に対する音読力と聴覚的理解力の貢献度を検討した. その結果, 定型発達児群における漢字単語の読解力に対して聴覚的理解力が有意に, そして音読力は有意傾向の影響力を示した. また, 読解力も音読力と聴覚的理解力の双方に対し有意に影響していた. 一方, 発達性dyslexia児群における漢字単語の読解力には音読力のみが有意に影響しており, 読解力も音読力に対して有意な影響力を示した. これらの結果から定型発達児の漢字単語の読解力には音読力と聴覚的理解力の双方が重要であり, 読解力もまた音読力と聴覚的理解力に対して影響力をもっていること, 発達性dyslexia児は音読力が低いため, たとえ聴覚的理解力が高かったとしても, その能力を読解力に対して十分に活用できていないことなどが推測された. また定型発達児群における読解力と音読力, 聴覚的理解力に関して, 一貫して心像性が有意な説明変数として抽出され, 3つの能力に対し意味の思い浮かべやすさが影響していると思われた.

収録刊行物

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (43)*注記

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