交通事故が頸椎症性脊髄症の早期診断を困難にしたと思われた1症例

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タイトル別名
  • Delayed diagnosis of cervical spondylotic myelopathy in a patient after traffic accident
  • 症例 交通事故が頸椎症性脊髄症の早期診断を困難にしたと思われた1症例
  • ショウレイ コウツウ ジコ ガ ケイツイショウセイ セキズイショウ ノ ソウキ シンダン オ コンナン ニ シタ ト オモワレタ 1 ショウレイ

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抄録

交通事故により頸椎症性脊髄症の早期診断が困難であったと推測された症例を報告する.66歳の男性で,15年前に交通事故に遭い,その1カ月後より左側の頸肩腕に灼熱痛が出現した.痛みは徐々に増強し,左側の胸腹部痛,下肢痛も出現した.15年の間,複数の病院を受診したが交通事故による外傷性頸部症候群と診断されていた.当科初診時,上下肢の筋力は正常であったが,左側の頸肩腕部,側胸腹部,下肢に疼痛と感覚異常があり,両側の膝蓋腱反射は亢進しており,MRIでC3/4-6/7の脊柱管狭窄がみられた.漢方薬内服と腕神経叢ブロックを行い,痛みは軽減した.当科初診から約1年の現在も痛みはコントロールされている.本症例は交通事故の受傷後に頸椎症性脊髄症の症状が発現し,初期の脊髄症の症状が軽度で,上下肢の筋力が低下していなかったことが,頸椎症性脊髄症の早期診断を困難にしたと考えられる.

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参考文献 (13)*注記

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