結腸憩室炎と鑑別が困難であった回腸憩室炎の1例

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  • DIFFICULTY IN THE DIFFERENTIAL DIAGNOSIS OF ILEAL DIVERTICULITIS AND COLONIC DIVERTICULITIS

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抄録

症例は77歳,男性.腹痛を主訴に近医受診,点滴・内服にて経過をみたが症状の改善が得られず当院へ紹介となった.炎症反応の上昇を認め,CTにて大腸憩室炎と診断し保存的に加療を行った.入院後8日目炎症反応が増悪し,再度施行したCTにて回盲部周囲・腹腔内に膿瘍形成が認められ,ドレナージが必要と判断され,翌日開腹手術を施行した.開腹するとS状結腸が回盲部に強固に癒着しており,S状結腸を剥離するとその直下に膿瘍腔を認めた.膿瘍腔は回盲部腸間膜・S状結腸・回腸に囲まれ形成されており,回盲部腸間膜内膿瘍へと続いていたため回盲部切除術を施行した.術後経過は良好で12病日目に退院.病理標本より回腸憩室炎・穿通による腸間膜内膿瘍形成,その穿破による腹腔内膿瘍形成と診断された.非特異的な所見を呈する急性腹症の鑑別として回腸憩室穿通も考慮すべきと考えられた.

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