スラリー気泡塔設計のための進化する数値計算手法の構築

書誌事項

タイトル別名
  • An Evolving Numerical Method for Designing Slurry Bubble Column Reactors
  • スラリー キホウトウ セッケイ ノ タメ ノ シンカ スル スウチ ケイサン シュホウ ノ コウチク

この論文をさがす

抄録

人工ニューラルネットワーク(Artificial Neural Network: ANN)と混合モデルを組み合わせたスラリー気泡塔内固気液三相流の数値計算手法を提案する.本手法では,混合モデルの平均化方程式を数学的に閉じた形とするために,ガスホールドアップ,混合拡散係数,反応速度などの巨視的変数をANN相関器により評価する.限られた実験データに基づいて構築された既存の実験相関式と比べて,ANN相関器は以下の長所を有する.(1)学習プロセスで用いた入力値以外の未知の入力に対しても良好な巨視的変数評価が期待できる.(2)実験データベースが拡充された際には,再学習機能により予測精度の向上(進化)を容易に達成できる.ANNの予測精度検証用実験データを取得するため,水空気系気泡塔のガスホールドアップを測定した.また,ANNと混合モデルを組み合わせた本手法の妥当性を検証するため,Fischer-Tropsch(FT)反応器内固気液三相流を対象としてCO転換率の数値予測を実施した.これらの検証により以下の結果を得た.(1)ANN相関器により,水空気系気泡塔のガスホールドアップを良好に予測できる.(2)ANN相関器を組み込んだ混合モデルにより,FT合成反応におけるCO転換率の各種パラメータ依存性を良好に予測できる.(3)ANNの予測精度は,新たなデータを用いた再学習により容易に向上する.以上,本手法が,大型工業設備における混相流数値予測手法の一つの雛型と成り得ることが示された.

収録刊行物

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

参考文献 (33)*注記

もっと見る

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ