内視鏡医学・医療のイノベーション─グローバル時代を勝つために─

  • 田尻 久雄
    東京慈恵会医科大学 内科学講座消化器・肝臓内科,内視鏡科

書誌事項

タイトル別名
  • INNOVATION OF ENDOSCOPIC MEDICINE AND MEDICAL CARE—TO ACHIEVE VICTORY IN THE ERA OF GLOBALIZATION—

この論文をさがす

抄録

内視鏡医療では,臨床における実用が始まった1960年代から,機器そのものについても診断や治療技術においても,常に日本が世界をリードしてきた.しかし,大規模なグローバル化の中で,現在,日本の医薬品・医療機器産業が様々な問題を抱え,国際的な競争力を日々失いつつある.内視鏡を含む医学・医療分野のグローバル化を勝ち抜くためには,産学官が連携し,数多くの問題を解決していくことが不可欠である.内視鏡関連の産学連携については,学会が果たすべき役割も大きい.新しい医療機器の推進や安全性と有効性に関する評価法の研究,臨床研究計画書を提案する能力などの教育・啓蒙活動を行っていく必要がある.学会が主導するガイダンスやレギュラトリーサイエンティスト育成のための教育プログラムの作成,PMDAの人材育成に協力することも必要である.全国規模の臨床治験に関わる支援,医療機器開発・審査に関する連絡協議会(産学官懇話会)の発足なども推進すべきである.さらに,欧米の先端的な内視鏡施設への医師の派遣や,アジア地域への内視鏡教育とHands-on courseなどの普及活動を率先して行うなど,今後は,内視鏡を通じて世界の福利厚生に貢献するという気概を持って活動していくことが望まれる.

収録刊行物

被引用文献 (1)*注記

もっと見る

参考文献 (32)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ