帯状疱疹とその予防に関する考察

  • 神谷 齊
    国立病院機構三重病院 水痘ワクチンと帯状疱疹調査研究会
  • 浅野 喜造
    藤田保健衛生大学小児科 水痘ワクチンと帯状疱疹調査研究会
  • 白木 公康
    富山大学医学部ウイルス学 水痘ワクチンと帯状疱疹調査研究会
  • 中野 貴司
    国立病院機構三重病院 水痘ワクチンと帯状疱疹調査研究会
  • 比嘉 和夫
    福岡大学医学部麻酔科学 水痘ワクチンと帯状疱疹調査研究会

書誌事項

タイトル別名
  • Herpes Zoster and Its Prevention
  • タイジョウホウシン ト ソノ ヨボウ ニ カンスル コウサツ

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抄録

わが国では帯状疱疹は年間4.15 人/1,000 人で,50 歳以上での発症率は,5.23~7.84 人/1,000 人であり,80歳までに,3 人に1 人が経験するありふれた感染症である.本稿では,水痘と帯状疱疹の関係,水痘ワクチンによる帯状疱疹予防の意義,水痘ワクチンによる60 歳以上の成人での帯状疱疹および帯状疱疹後神経痛予防の大規模臨床試験について考察した.また,帯状疱疹の予防という観点の研究は1980 年代から行われてきた.そして,水痘患者との接触や水痘ワクチンの接種は,既感染者の水痘帯状疱疹ウイルスに対する免疫を賦活化できることが報告されてきた.これらの一連の研究に続いて,2005 年にOxman らが,帯状疱疹予防ワクチン(ZOSTAVAX)により60 歳以上の成人の帯状疱疹と帯状疱疹後神経痛を予防できることを報告して,米国や欧州では,帯状疱疹と帯状疱疹後神経痛の標準的な予防法となったので,それを紹介し,わが国の水痘ワクチンでの帯状疱疹予防の可能性についても考察した.

収録刊行物

  • 感染症学雑誌

    感染症学雑誌 84 (6), 964-701, 2010

    一般社団法人 日本感染症学会

被引用文献 (3)*注記

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参考文献 (42)*注記

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