Review of research on mental health of grandparents who support care for grandchildren
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- KOMATSU Sayoko
- 東京大学大学院医学系研究科公共健康医学専攻老年社会科学分野
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- SAITO Tami
- 東京大学大学院医学系研究科公共健康医学専攻老年社会科学分野
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- KAI Ichiro
- 東京大学大学院医学系研究科公共健康医学専攻老年社会科学分野
Bibliographic Information
- Other Title
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- 孫の育児に参加する祖父母の精神的健康に関する文献的考察
- マゴ ノ イクジ ニ サンカ スル ソフボ ノ セイシンテキ ケンコウ ニ カンスル ブンケンテキ コウサツ
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Abstract
目的 祖父母が孫の育児に参加することは,育児支援という視点からも,高齢期の生きがいづくりという視点からも意義があると思われる。「祖父母」という育児資源を利用し続けていくためには,祖父母の健康への影響を理解することが重要と考え,本研究では,国内外の孫の育児に参加する祖父母の精神的健康に焦点を当てた研究を整理し,今後の研究を進めていく上での課題を明らかにすることを目的とした。<br/>方法 国内の文献は医中誌 web・メディカルオンライン・CiNii・DiaL を用いて検索し,引用文献を含めた計10件を本研究に活用した。海外の文献は Web of Knowledge・PubMed を用いて検索し,英文文献計10件を本研究に活用した。<br/>結果 国内の文献では,孫の育児あり/なし群の比較によって健康影響を比較した文献がみられなかった。一方,孫の育児に参加している祖父母の内部比較からは,孫育児参加の精神的健康に影響を与える要因が複数存在する可能性が示された。また,孫育児へ参加している祖父母は精神的に良い影響(主観的幸福感・生きがい)と悪い影響(抑うつ・不安)の両方を受けていることが示された。英文文献では,支援型の孫育児による精神的健康への影響について,良い影響を報告する文献と悪い影響を報告する文献とに分かれ,一貫した結果が得られなかった。また,日本とアメリカの研究を両方整理したことにより,両者の研究方法,特に対照群の選択基準や用いた尺度,解析における調整の有無などに違いがあることが明らかになった。<br/>結論 国内外の文献から孫の育児参加の有無による精神的健康への影響を結論づけることはできなかった。一方,孫育児に参加している祖父母は精神的に良い影響と悪い影響の両方を受けていること,精神的健康を左右する要因が複数考えられることが示された。今後の研究課題としては孫育児の定義を明確にして研究を進めること,研究のデザインや解析の方法を工夫すること,祖父母の身体的な健康にも焦点を当てた研究を進めることが挙げられる。
Journal
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- Nihon Koshu Eisei Zasshi(JAPANESE JOURNAL OF PUBLIC HEALTH)
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Nihon Koshu Eisei Zasshi(JAPANESE JOURNAL OF PUBLIC HEALTH) 57 (11), 1005-1014, 2010
Japanese Society of Public Health
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390282680482125440
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- NII Article ID
- 10027679920
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- NII Book ID
- AN00189323
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- COI
- 1:STN:280:DC%2BC3M3hvVShtQ%3D%3D
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- ISSN
- 21878986
- 05461766
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- NDL BIB ID
- 10923535
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- Text Lang
- ja
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- Data Source
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- JaLC
- NDL
- CiNii Articles
- KAKEN
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- Abstract License Flag
- Disallowed