空腸憩室穿孔による汎発性腹膜炎の1例

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  • A CASE OF PANPERITONITIS CAUSED BY A PERFORATED JEJUNAL DIVERTICULUM

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抄録

空腸憩室はまれな疾患で無症状に経過することが多い.今回空腸憩室穿孔症例を経験したので報告する.症例は93歳の女性で,3日前から腹痛,嘔気を認め近医を受診した.腹部造影CT所見で横隔膜下にfree airと腹水貯留を認め,上腹部の小腸背側にair fluid levelを伴った大きなcavityを形成しており,急性腹膜炎の診断で当科に紹介された.上腹部中心に腹膜刺激症状,筋性防御を認めた.上部消化管穿孔の疑いで緊急手術を施行した.手術所見で胃,十二指腸に穿孔部を認めずTreitz靱帯より15cm肛門側空腸に穿孔した憩室を認め,穿孔部は横行結腸間膜や他の小腸に囲まれ膿瘍腔を形成していた.病理組織学的検査で空腸仮性憩室の穿孔と診断した.空腸憩室穿孔は術前診断が困難であり高齢者が多いため,死亡率も高い.しかし術前のCT診断は有用であることもあり,空腸憩室穿孔症例で特徴的なCT所見も含めて文献的考察のうえ報告する.

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