開業歯科医院を対象とした院内感染予防対策アンケート調査

  • 茂木 伸夫
    がん・感染症センター都立駒込病院歯科口腔外科
  • 呉橋 美紀
    東京歯科保険医協会感染予防対策プロジェクト 西馬込駅前クリニック
  • 池上 由美子
    がん・感染症センター都立駒込病院看護部
  • 桃井 祐子
    都立広尾病院看護部
  • 川戸 二三江
    東京歯科保険医協会感染予防対策プロジェクト 川戸医院 歯科
  • 島倉 洋造
    東京歯科保険医協会感染予防対策プロジェクト 日本ビル歯科

書誌事項

タイトル別名
  • Questionnaire of Infection Control Procedures in Dental Clinics
  • カイギョウ シカ イイン オ タイショウ ト シタ インナイ カンセン ヨボウ タイサク アンケート チョウサ

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抄録

  歯科診療は,歯牙切削,歯石除去による室内汚染,口腔処置による血液や唾液からの交差感染を起こす危険があり,様々な感染対策の報告があるが,その実態はあまり知られていない.そこで,院内感染対策の施行度を知るために東京歯科保険医協会感染予防対策プロジェクト・チームは歯科感染予防対策に対するアンケート調査を行った.対象は東京歯科保険医協会会員4539人に調査を依頼,回答のあった934人(回答率20.6%)である.質問内容は1. 個人防護具,2. 室内対策,3. 器具の滅菌・消毒,4. 感染対策の実践,5. 感染対策の知識に大別した17項目である.その結果,1. マスクは99%が,手袋は85%が装着していたが,ゴーグルやフェイスシールドは51%にとどまった.2. 手洗いは95%が行っていたが,患者ごとの手袋の交換は54%であった.空気清浄機の設置は57%,口腔外バキュームの設置は31%であった.3. オートクレーブなどの使用が98%,滅菌と消毒を必ず行っている人は71%であったが,印象材などを消毒している人は34%であった.4. 肝炎患者を自院で診療している人は89%であった.5. スタンダードプリコーションを理解している人は29%であった.結論として,個人防護としてゴーグル,フェイス・シールド,室内対策として空気清浄機や口腔外バキュームの設置の必要性が示唆された.また,歯科医療従事者がスタンダードプリコーションの意識を高める必要があると考えられた.<br>

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参考文献 (31)*注記

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