FDG‐PETで集積亢進を認め,肺癌を疑われた非結核性抗酸菌症の1例

  • 岡田 英
    国立病院機構西新潟中央病院 呼吸器外科
  • 廣野 達彦
    国立病院機構西新潟中央病院 呼吸器外科
  • 渡辺 健寛
    国立病院機構西新潟中央病院 呼吸器外科

書誌事項

タイトル別名
  • A case of nontuberculous mycobacterial pulmonary infection showing intense uptake on fluorodeoxyglucose-positron emission tomography

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抄録

71歳女性.2009年の検診で胸部異常影を指摘され前医を受診した.胸部CTで右S3の胸膜直下に1.8cm大の結節を認め,気管支鏡検査では細胞診,細菌培養ともに陰性であった.FDG-PETで同部位にSUV max 3.82の集積を認め肺癌が疑われたため,手術目的に当院に入院した.手術は術中細胞診で悪性所見を認めなかったため右上葉部分切除を施行した.切除組織の抗酸菌検査で直接塗抹陽性,Mycobacterium intracellulare PCR陽性となり非結核性抗酸菌症と診断した.本邦では孤立性肺結節として発見され,肺癌との鑑別が困難な非結核性抗酸菌症の報告が散見される.多くは手術で切除され組織の抗酸菌検査から確定診断に至っている.肺腫瘍性病変の良悪性の鑑別に有用といわれるFDG-PETは,活動性の炎症性疾患でも集積亢進することがあり,結果の判断には注意が必要である.

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参考文献 (23)*注記

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