抗菌薬封入ハイドロキシアパタイトが有効であった成人距骨骨髄炎の1例

  • 徳永 琢也
    熊本大学大学院生命科学研究部運動骨格病態学分野
  • 中村 英一
    熊本大学大学院生命科学研究部運動骨格病態学分野
  • 鬼木 泰成
    熊本大学大学院生命科学研究部運動骨格病態学分野
  • 岡元 信和
    熊本大学大学院生命科学研究部運動骨格病態学分野
  • 田中 あづさ
    熊本大学大学院生命科学研究部運動骨格病態学分野
  • 西岡 宏晃
    熊本大学大学院生命科学研究部運動骨格病態学分野
  • 水田 博志
    熊本大学大学院生命科学研究部運動骨格病態学分野

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Acute Osteomyelitis of the Talus in an Adult Woman Treated Using Hydroxyapatite Block with Inclusion of Antibiotics

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抄録

【目的】成人に発症した距骨骨髄炎に対し,抗菌薬封入ハイドロキシアパタイトブロック(HAブロック)を使用した1例を経験したので報告する.【症例】46歳,女性.主訴は左足関節痛である.現病歴は,誘因なく発熱と左足関節痛が出現し,歩行困難となったため,当科を受診した.初診時,左足関節には腫脹,熱感がみられた.関節液より肺炎球菌が検出され,距骨骨髄炎と診断し,緊急手術を行った.手術所見では距骨後外側皮質に骨孔がみられ,膿汁様の流出を認めた.掻破後の骨欠損に対し,抗菌薬封入HAブロックの充填を行った.術後9ヶ月の時点で距骨の圧潰や,感染の再燃はない.【考察】成人の距骨骨髄炎は稀であるため,その治療法に一定の見解はない.抗菌薬封入HAブロックは優れた強度と薬剤徐放能を有し,骨欠損の補填と感染の沈静化が同時に可能であり,荷重部である距骨においても有用な治療法の一つであるものと考えられた.

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参考文献 (13)*注記

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