腹腔鏡補助下胃全摘術後に発生した胸腔内ヘルニアに対して腹腔鏡下ヘルニア修復術を施行した1例

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  • LAPAROSCOPIC REPAIR FOR ESOPHAGEAL HIATUS HERNIA AFTER LAPAROSCOPY-ASSISTED TOTAL GASTRECTOMY-A CASE REPORT-

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抄録

症例は80歳,男性.胃噴門部後壁の胃癌に対して,腹腔鏡補助下胃全摘術,D2郭清,Roux-en-Y再建術を施行した.術後第2病日の夜より呼吸困難が出現したため,翌朝に胸部X線検査,胸部CT検査を施行したところ,左胸腔内に拡張した腸管を認め,腹腔鏡補助下胃全摘術後の胸腔内ヘルニアと診断し,同日腹腔鏡下ヘルニア修復術を施行した.開大した食道裂孔の左側より,小腸と横行結腸の胸腔内への嵌頓が認められた.腸管の虚血を疑う所見はなく,脱出した腸管を腹腔内に返納し,左胸膜の修復および横隔膜脚背側の縫縮によりヘルニア門を閉鎖し,手術を終了した.術後の経過は順調であり,術後第12病日に退院となった.腹腔鏡補助下胃全摘術後に胸腔内ヘルニアをきたした報告はなく,まれな症例を経験したので,胸腔内ヘルニアの治療法を交え,文献的考察を加えて報告する.

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参考文献 (29)*注記

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