結腸膀胱瘻をきたした壁外発育型S状結腸癌の1例

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  • A CASE OF EXTRAMURALLY GROWING SIGMOID COLON CANCER FORMING A COLOVESICAL FISTULA

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抄録

はじめに:結腸膀胱瘻の原因は憩室炎が最も多いが,大腸癌,膀胱瘻によるものもあり,術式決定には注意を要する.症例:77歳,男性.頻尿を主訴に受診し,難治性膀胱炎であったため精査を行うと,CTではS状結腸と膀胱に浸潤する腫瘤影があり,膀胱内に含気を認めた.注腸ではS状結腸に全周性狭窄があり,その口側に多発する憩室とS状結腸膀胱瘻を認めた.下部消化管内視鏡・膀胱鏡では病変の観察が困難で,術前に癌の診断はつかなかった.治療・診断:S状結腸切除+膀胱部分切除を施行し,病理で壁外発育型大腸癌,結腸膀胱瘻の診断となった.考察:内瘻形成性大腸癌は局所進行癌であるがリンパ節転移陽性率は他臓器浸潤癌に比べ低く,生物学的悪性度に差があると考えられる.今回,壁外発育型S状結腸癌が膀胱瘻を形成した1例を経験したため,文献的考察を加え報告する.

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参考文献 (21)*注記

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