補充療法ガイドラインに基づいた血友病B患者の抜歯経験

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  • Successful tooth extraction in a patient with hemophilia B

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抄録

我が国で血友病Bは比較的稀な遺伝性凝固異常疾患で,その有病率は全血友病患者の約18%である.血友病BはX連鎖劣性遺伝性の先天性凝固障害症で第IX因子活性の低下が認められる.我々は2008年日本血栓止血学会のガイドラインをもとに血友病Bの患者の抜歯を行い,良好な経過を得たのでその概要を報告する.患者は44歳男性,歯肉出血を主訴に当科受診.既往歴に血友病BとC型肝炎を認めた.血液検査では活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)47.3秒(正常26-38秒)と延長し,第IX因子活性は5.6%(正常67-152%)と明らかな低下を認めたのに対し,プロトロンビン時間(PT),PT-INRは正常範囲内であった.繰り返される歯肉出血のため,ガイドラインに基づき第IX因子製剤補充療法を併用し,全身麻酔下に抜歯を施行した.第IX因子活性の目標値を設定し,術直前-術後5日間補充療法と第IX因子活性のモニタリングを行った結果,異常出血やインヒビターの発現を認めることなく,良好な経過を得ることができた.

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