声門下に発生した喉頭腺系癌の2症例

書誌事項

タイトル別名
  • Two cases of laryngeal adenocarcinoma arising from the subglottic region

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抄録

喉頭における悪性腫瘍は扁平上皮癌が大部分を占め,非扁平上皮癌の発生頻度は5%以下である。その中で喉頭粘膜下の小唾液腺由来と考える喉頭腺系悪性腫瘍は,喉頭悪性腫瘍の0.7%程度の頻度であるとされ非常に稀な疾患である。今回我々は声門下より発生した腺様嚢胞癌の1例,腺癌の1例を経験したため文献的考察をふまえて報告する。症例1は67歳男性で声門下腺様嚢胞癌の症例で,輪状軟骨を破壊するT4aN0M0例であった。本人の喉頭温存の強い希望により喉頭部分切除術を施行した。再発のため再手術を施行する必要があったが喉頭温存可能であった。症例2は76歳の女性で声門下腺癌T1N0M0の症例であった。他院にて生検を兼ねた喉頭再開による腫瘍切除術により腫瘍体積が減量されていた。喉頭全摘出術を拒否し,放射線治療70Gyを施行した。現在16ヶ月無病生存中である。

収録刊行物

  • 頭頸部癌

    頭頸部癌 36 (3), 327-333, 2010

    日本頭頸部癌学会

参考文献 (23)*注記

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