上咽頭癌の予後因子の検討

  • 松尾 美央子
    独立行政法人国立病院機構九州がんセンター頭頸科
  • 力丸 文秀
    独立行政法人国立病院機構九州がんセンター頭頸科
  • 檜垣 雄一郎
    独立行政法人国立病院機構九州がんセンター頭頸科
  • 冨田 吉信
    独立行政法人国立病院機構九州がんセンター臨床研究部

書誌事項

タイトル別名
  • Analysis of prognostic factors in cases with nasopharyngeal carcinoma

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抄録

当科で一次治療を行った上咽頭癌38例の治療成績を検討し予後因子の解析を行った。上咽頭癌全体の治療成績は,疾患特異的3年生存率(以下3生率)が50%,3年局所・所属リンパ節制御率が58%と不良であった。年齢別の検討では高齢になるに従い生存率は低下傾向にあったが有意差はなかった。原発巣(以下T)別でみても生存率に有意差はなくTが進行するに従い局所・所属リンパ節制御率が低下する傾向も認めなかった。頸部リンパ節(以下N)別ではNが進行するに従い生存率・制御率ともに低下傾向にあったが有意差はなかった。病期別でも生存率に有意差はなかった。一方組織別でみるとWHO type 1はtype 2・3にくらべ有意差はないものの生存率が低い傾向にあり,局所・所属リンパ節制御率はtype 1が有意に低かった。以上の解析から,年齢・T・N・病期・組織型の中に予後不良因子はなかったが,組織型WHO type 1の局所・所属リンパ節制御率は有意に不良であるという結果となった。

収録刊行物

  • 頭頸部癌

    頭頸部癌 36 (3), 334-338, 2010

    日本頭頸部癌学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (28)*注記

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