変性剤濃度勾配ゲル電気泳動法を利用した腐朽木材中に存在する真菌類の菌叢解析

書誌事項

タイトル別名
  • Analysis of fungal community in decayed wood by PCR-based denaturing gradient gel electrophoresis
  • ヘンセイザイ ノウド コウバイ ゲル デンキ エイドウホウ オ リヨウ シタ フキュウ モクザイ チュウ ニ ソンザイ スル シン キンルイ ノ キンソウカイセキ

この論文をさがす

抄録

変性剤濃度勾配ゲル電気泳動法(DGGE 法)を用いて, 腐朽した木材に存在する糸状菌の菌叢解析を試みた。15種の糸状菌から抽出したゲノムDNA を鋳型にしたPCR によりinternal transcribed space(ITS)領域を増幅したところ, 全ての菌において, アガロースゲル電気泳動上で400bp 付近に1本のバンドとして観察された。一方, これをDGGE 解析したところ, 菌種ごとにDNA 断片の移動度に差異が観察された。さらに, 6種の腐朽材から抽出したゲノムDNA を鋳型にしてPhi29 DNA ポリメラーゼを用いて非特異的にゲノムDNA の増幅を行った後, ITS 領域に特異的なプライマーを用いてPCR を行った。その結果, 増幅産物は2%のアガロースゲル中でそれぞれ1~3本のバンドとして観察されたが, DGGE 解析においては, アガロースゲル電気泳動と比較して, より多くのバンドが観察された。これにより得られたバンドを切り出し, 塩基配列を決定した後, 塩基配列データベースを相同性検索したところ, 様々な種類の糸状菌の存在が示唆された。以上の結果から, DGGE 法は, 腐朽材中に存在する菌叢の解析に有用であると考えられた。

収録刊行物

  • 木材保存

    木材保存 36 (3), 100-110, 2010

    公益社団法人 日本木材保存協会

被引用文献 (4)*注記

もっと見る

参考文献 (24)*注記

もっと見る

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ