慢性腎臓病 (CKD) と栄養

• 佐中 孜

  東京女子医科大学東医療センター

書誌事項

タイトル別名

• The Optimal Reason for Diet Control in the Treatment of Chronic Kidney Disease (CKD)
• 慢性腎臓病(CKD)と栄養--慢性腎臓病(CKD)の最適治療に何故食事療法が必要か
• マンセイ ジンゾウビョウ CKD ト エイヨウ マンセイ ジンゾウビョウ CKD ノ サイテキ チリョウ ニ ナゼ ショクジ リョウホウ ガ ヒツヨウ カ
• ─慢性腎臓病 (CKD) の最適治療に何故食事療法が必要か─

抄録

CKD（Chronic Kidney Disease；慢性腎臓病）治療には(1)CKDの原因となる腎臓病（原疾患）治療，(2)食事療法，(3)アンジオテンシンII受容体拮抗薬，（アンジオテンシン変換酵素阻害薬，(4)経口吸着薬，(5)合併症治療（虚血性心疾患，高血圧，脂質代謝異常症（高脂血症），貧血など）による集学的治療など5つの基本戦略がある．<br>　これらのうち，食事療法のもつ意義は次のようにまとめられる。<br>　1　生活習慣が関与している場合は，これを是正することにより原疾患の治療につながる。<br>　2　たんぱく質の過剰摂取はたんぱく尿の悪化を招くので，その是正が必要である。<br>　3　食塩の過剰摂取は高血圧，動脈硬化，更には糸球体細動脈硬化の原因になるので，食塩の過剰摂取の是正は不可欠となる。<br>　4　糸球体に続く尿細管で起きている有機酸の過剰負荷をとることはCKDの進展抑制をもたらす。<br>　5　アンモニア，リンの体内蓄積を抑制するための食事療法は有用と期待される。<br>　6　CKDにおける鉄欠乏性貧血，ビタミンB₁₂，葉酸欠乏による貧血を治療することにより，進展を阻止することが期待される。<br>　7　高尿酸血症を伴うCKDにはプリン体の摂取の適正化が必要である。<br>　8　脂質代謝異常症（高脂血症）も悪化要因になるので，食事療法は不可欠となる。

収録刊行物

• 栄養学雑誌

  栄養学雑誌 69 (3), 109-114, 2011

  特定非営利活動法人 日本栄養改善学会

キーワード

• 糸球体
• 尿細管
• 食事性因子
• 食事療法ガイドライン

詳細情報

• CRID: 1390282681525124352
• NII論文ID: 10029102143
• NII書誌ID: AN00023058
• DOI: 10.5264/eiyogakuzashi.69.109
• ISSN: 18837921
• ISSN: 00215147
• NDL書誌ID: 11159822
• Web Site: https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R000000004-I11159822
• Web Site: https://www.jstage.jst.go.jp/article/eiyogakuzashi/69/3/69_3_109/_pdf
• Web Site: https://search.jamas.or.jp/link/ui/2011296574
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • NDL
  • Crossref
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可