【総説-糖質関連酵素化学シンポジウム-】 植物におけるトレハロース代謝とその機能

  • 今井 亮三
    農業・食品産業技術総合研究機構・北海道農業研究センター 北海道大学大学院農学院
  • 島 周平
    農業・食品産業技術総合研究機構・北海道農業研究センター 北海道大学大学院農学院
  • 藪内 威志
    農業・食品産業技術総合研究機構・北海道農業研究センター 北海道大学大学院農学院
  • 加藤 英樹
    農業・食品産業技術総合研究機構・北海道農業研究センター
  • 松井 博和
    北海道大学大学院農学院

書誌事項

タイトル別名
  • [Review: Symposium on Amylases and Related Enzymes] Trehalose Metabolism and Functions in Plants
  • 植物におけるトレハロース代謝とその機能
  • ショクブツ ニ オケル トレハロース タイシャ ト ソノ キノウ

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抄録

トレハロースはグルコースがα,α-1,1結合した二糖であり, 微生物や昆虫では, エネルギー源や乾燥等からの生体膜やタンパク質の保護物質として働くことが知られている。一方, 植物においてはトレハロースの検出が困難であったことから, 長い間トレハロースの生合成は否定されてきた。90年代後半に植物から初めてトレハロース生合成遺伝子が単離され, 高等植物中にもトレハロースが存在することが明らかになった。しかし, 植物中の蓄積量は極微量であり, 貯蔵糖やストレス保護物質であることは考えにくい。最近の研究で, トレハロースの生合成が植物の発生やストレス応答において重要な調節機能をもつことがわかってきた。特にトレハロース6-リン酸が植物の糖代謝において重要なシグナル物質であることが明らかになりつつある。本稿では, 植物においてトレハロース生合成が示すユニークな機能を紹介する。

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参考文献 (54)*注記

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