緩和ケトン食が著効した部分発作とスパズムの複合発作を有するてんかんの1男児例

  • 高橋 宏佳
    国立病院機構静岡てんかん・神経医療センター
  • 今井 克美
    国立病院機構静岡てんかん・神経医療センター
  • 高山 留美子
    国立病院機構静岡てんかん・神経医療センター
  • 美根 潤
    国立病院機構静岡てんかん・神経医療センター
  • 大谷 早苗
    国立病院機構静岡てんかん・神経医療センター
  • 池田 浩子
    国立病院機構静岡てんかん・神経医療センター
  • 久保田 裕子
    国立病院機構静岡てんかん・神経医療センター
  • 高橋 幸利
    国立病院機構静岡てんかん・神経医療センター
  • 井上 有史
    国立病院機構静岡てんかん・神経医療センター
  • 藤原 建樹
    国立病院機構静岡てんかん・神経医療センター

書誌事項

タイトル別名
  • Remarkable Effect of a Modified Ketogenic Diet in a Boy with Focal Seizures Followed by Epileptic Spasms in a Cluster

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抄録

 乳児期に発症した難治性のてんかんに対して緩和ケトン食が著効した1例を経験した. 生後8カ月からてんかん性スパズムが出現し, 一時ACTH療法にて発作は消失したが, 1歳1カ月時に部分発作で再発し, 2歳以後は部分発作とスパズムの複合発作となり, 種々の抗てんかん薬に抵抗性であった. 2歳6カ月時に絶食期間をおかず, カロリー制限・水分制限をせず, MCTオイルを使用した緩和ケトン食を開始し, 20日目に発作消失かつ脳波も著明改善した. 従来の古典的ケトン食を緩和した緩和ケトン食療法は副作用が少なく継続しやすいため, 難治性のてんかんにおいて試してみる価値のある治療法であり, わが国においても再評価されるべきである.

収録刊行物

  • 脳と発達

    脳と発達 43 (4), 305-308, 2011

    一般社団法人 日本小児神経学会

参考文献 (12)*注記

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