インドメタシンの新たな抗がん機構の解明 : シクロオキシゲナーゼ阻害非依存的作用の探求 Novel anti-cancer effects of indomethacin : exploring the cyclooxygenase-inhibition-independent effects

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抄録

非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)は,最も多用されている薬物の1つであり,解熱鎮痛や抗炎症作用に加えて,結腸がんなどの治療および予防にも使用されている.代表的なNSAIDであるインドメタシンは,その強力な作用により,しばしば副作用を引き起こすことが知られており,治療上の使用は限られている.しかしながらインドメタシンの副作用は,NSAIDの主作用であるシクロオキシゲナーゼ(COX)活性阻害作用以外にも,別の作用メカニズムに起因する可能性が考えられる.我々はこれまでに,誘導型COXであるCOX-2およびその代謝産物であるプロスタグランジンE<sub>2</sub>(PGE<sub>2</sub>)を産生していないLS174Tヒト結腸がん細胞を用いて,インドメタシン処理により,EP2受容体の発現を抑制することや,アラキドン酸の取り込みを抑制することを見いだした.このLS174T細胞におけるアラキドン酸の取り込みは,インドメタシン処理において濃度依存的に抑制されたが,アスピリンやジクロフェナクあるいはスリンダクなどのNSAID処理では引き起こされなかった.またこの時,インドメタシン処理濃度依存的に,脂肪酸取り込みに関与する因子であるfatty acid translocase(FAT)/CD36の発現も減少した.さらにFAT/CD36の発現を調節しているペルオキシソーム増殖剤応答性受容体<I>γ</I>(PPAR<I>γ</I>)の発現も減少していることも明らかとなった.アラキドン酸はPGE<sub>2</sub>を含む炎症性メディエーターであるエイコサノイドの主要な基質であることが知られている.すなわちインドメタシンを含むNSAIDは,COX阻害作用に加えて,COX阻害非依存的な作用機序による,新たな抗炎症・抗がん薬へと応用できるのではないかと期待される.

収録刊行物

  • 日本薬理學雜誌 = Folia pharmacologica Japonica

    日本薬理學雜誌 = Folia pharmacologica Japonica 137(4), 177-181, 2011-04-01

    公益社団法人 日本薬理学会

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被引用文献:  1件中 1-1件 を表示

各種コード

  • NII論文ID(NAID)
    10029417534
  • NII書誌ID(NCID)
    AN00198335
  • 本文言語コード
    JPN
  • 資料種別
    REV
  • ISSN
    00155691
  • NDL 記事登録ID
    11059535
  • NDL 雑誌分類
    ZS51(科学技術--薬学)
  • NDL 請求記号
    Z19-247
  • データ提供元
    CJP書誌  CJP引用  NDL  J-STAGE 
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