2010年A型肝炎ウイルス福岡株に対する分子疫学的検討‐1999年ボルネオ(カリマンタン)島由来株との近縁性

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タイトル別名
  • Molecular epidemiological analysis of hepatitis A virus strain separated in Fukuoka 2010-the similarity with the strain from a patient infected in Borneo (Kalimantan) island 1999
  • 2010年A型肝炎ウイルス福岡株に対する分子疫学的検討--1999年ボルネオ(カリマンタン)島由来株との近縁性
  • 2010ネン Aガタ カンエン ウイルス フクオカカブ ニ タイスル ブンシエキガクテキ ケントウ 1999ネン ボルネオ カリマンタン トウ ユライカブ ト ノ キンエンセイ

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抄録

A型肝炎が多発した2010年春に福岡市で感染し,発症したA型急性肝炎夫婦例から分離されたA型肝炎ウイルス(HAV)福岡株と1999年にボルネオ(現カリマンタン)島で感染し,札幌市で発症したHAV札幌株とが全長塩基配列の解析により98.4%の一致率を示し,genotype IAの同一系統株であることが判明した.またこの福岡HAV株は2007年にフィリピンで感染し,ドイツで発症したHAV株と同一系統株であった.フィリピン・ボルネオ地域を淵源とするHAV株が変異しながら2010年春に福岡で2例のA型急性肝炎発生に関与している可能性が推測された.遺伝子系統解析はHAVの地理的かつ時間的な分布ならびに変異の把握に有効な手段であることが示された.また福岡,札幌株の全長塩基配列の比較から,HAVの変異速度の解析の可能性も示唆された. <br>

収録刊行物

  • 肝臓

    肝臓 52 (8), 497-502, 2011

    一般社団法人 日本肝臓学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (20)*注記

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