新人看護師の「ヒヤリ・ハット」体験状況とメンタルヘルスの関係

  • 豊増 功次
    久留米大学健康・スポーツ科学センター 久留米大学大学院医学研究科健康科学
  • 吉田 典子
    久留米大学健康・スポーツ科学センター 久留米大学大学院医学研究科健康科学
  • 岩崎 瑞枝
    久留米大学大学院医学研究科健康科学
  • 平田 伸子
    久留米大学大学院医学研究科健康科学
  • 原田 悟史
    久留米大学大学院医学研究科健康科学

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抄録

医療の現場における「ヒヤリ・ハット」の体験の有無とその回数を新規採用看護師に対し、採用後3ヶ月目とその後3ヶ月ごとに調査し、その回数が増加する例と不変・減少する例とで比較し、「ヒヤリ・ハット」の体験状況とメンタルヘルスとの関連を検討した。「ヒヤリ・ハット」は、質問紙から自己申告の形で3ヵ月間、仕事中に体験したかどうか、体験があればその回数を求めた。メンタルヘルスは、職業性ストレス簡易調査票、GHQ28日本版精神健康調査票から評価した。その結果、3ヶ月目から6ヶ月目にかけて「ヒヤリ・ハット」の回数が増加した「増加群」では、3ヶ月目の時点で「不変・減少群」に比べて仕事の適合性や職場内支援度が不良であった。「不変・減少群」では、3~6ヶ月目にメンタルヘルスの改善が見られたが、「増加群」では見られなかった。以上より「ヒヤリ・ハット」を繰り返す例では、職場内における個人面接を増やすなどメンタルサポートを行なうことが対策として重要と考えられた。

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参考文献 (10)*注記

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