フィコシアニンセンサーによる野外でのアオコの定量

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タイトル別名
  • Quantification of cyanobacterial water blooms by a phycocyanin sensor in the field
  • フィコシアニンセンサー ニ ヨル ヤガイ デ ノ アオコ ノ テイリョウ

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抄録

野外で簡便にフィコシアニンの量が測定できるフィコシアニンセンサー(YSI社)の計測値が,検鏡法にて定量したシアノバクテリアの現存量(構成種の細胞体積の総和)ならびにアオコ構成種の現存量を表すかどうかを,ため池で採集した植物プランクトンについて検討した。センサー計測値はシアノバクテリアの現存量もしくはアオコ構成種の現存量のおのおの87%を説明した。<BR> センサー計測値が102 cells mL-1より小さい池では,顕微鏡下でシアノバクテリアは観察されなかった。センサー計測値が123~2,653 cells mL-1の間では,シアノバクテリアが検鏡で認められない池が6割あった。一方,センサー計測値が2,758 cells mL-1以上では,全ての池でシアノバクテリアが観察された。センサー計測値が2,758 cells mL-1以上を示した池について,センサー計測値からシアノバクテリアの現存量を推定する有意な線形回帰式を得た。シアノバクテリアの代わりにアオコ構成種の現存量について検討したところ,センサー計測値が6,680 cells mL-1以上を示した池について,同様の結果を得た。<BR> 以上より,ため池の植物プランクトンについては,センサー計測値がおおむね104 cells mL-1以上と高い範囲であれば,その値は野外のシアノバクテリアの現存量もしくはアオコ構成種の現存量を表すと考えることができた。

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参考文献 (25)*注記

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