胸椎横断性骨折により遅発性脊髄麻痺を来たした強直性脊椎骨増殖症の１例

• 松本 淳志

  福岡市民病院整形外科

• 齊藤 太一

  福岡市民病院整形外科

• 入江 努

  福岡市民病院整形外科

• 田中 哲也

  福岡市民病院整形外科

• 末永 英慈

  福岡市民病院整形外科

• 保利 俊雄

  福岡市民病院整形外科

書誌事項

タイトル別名

• A Case of Delayed Spinal Cord Paralysis Caused by Transverse Fracture of the Thoracic Spine in Ankylosing Spinal Hyperostosis

抄録

今回，我々は胸椎横断性骨折により遅発性脊髄麻痺を来たした強直性脊椎骨増殖症（以下ASH）の一例を経験したので報告する．症例は71歳男性，転倒後に背部痛が出現し，近医整形外科にて第10胸椎圧迫骨折の診断にて保存的治療を受けていた．受傷後1カ月目より，両下肢の筋力低下を認め立位不能となったため，当院へ紹介受診となった．CTでは第10胸椎レベルにおける横断性骨折を，MRIでは同部での脊髄圧迫を認め，これによる脊髄麻痺と診断し後方除圧固定術を施行した．術後は徐々に下肢麻痺の改善を認め杖歩行が可能なレベルまで回復した．ASHにおける脊椎横断性骨折では骨折部に応力が集中し，さらに3 column injuryによる不安定性のため，保存的治療では骨癒合が得られにくい．その結果，本症例のように遅発性神経麻痺を生じる危険性があるため，受傷後早期の内固定術が望ましいと考えられる．

収録刊行物

• 整形外科と災害外科

  整形外科と災害外科 60 (3), 435-439, 2011

  西日本整形・災害外科学会

キーワード

• 強直性脊椎骨増殖症
• 横断性骨折
• 遅発性脊髄麻痺

詳細情報

• CRID: 1390001204942040960
• NII論文ID: 130004461141
• NII論文ID: 10029660192
• NII書誌ID: AN00126582
• DOI: 10.5035/nishiseisai.60.435
• ISSN: 13494333
• ISSN: 00371033
• Web Site: https://search.jamas.or.jp/link/ui/2012012203
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • Crossref
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可