Pediococcus pentosaceus Sn26株のアレルギー性下痢症抑制作用及びその作用機序解析

  • 増田 健幸
    信州大学大学院農学研究科 機能性食料開発学専攻
  • 中田 雅也
    信州大学大学院農学研究科 機能性食料開発学専攻
  • 岡田 早苗
    東京農業大学 菌株保存室
  • 保井 久子
    信州大学大学院農学研究科 機能性食料開発学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • Amelioration and mechanisms of OVA-induced allergic diarrhea by oral administration of the <i>Pediococcus pentosaceus</i> Sn26 strain

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抄録

すんき漬から分離された乳酸菌の中にIgE産生を抑制する菌株が多数存在した。その中の1菌株(Pediococcus pentosaceus Sn26株(Sn26))は、経口投与により血中の卵白アルブミン(OVA)特異的IgEを減少させ、 OVAで誘導されるアレルギー性下痢症を有意に抑制した。このメカニズムを解析するために誘導組織である腸管パイエル板細胞及び実効組織である腸管粘膜固有層リンパ細胞の免疫応答性を調べた。その結果、Sn26の経口投与は、パイエル板細胞の1型ヘルパーT細胞(Th1)型サイトカイン産生能を上昇させ、Th1/ 2型ヘルパーT細胞(Th2)バランスを改善させ、総IgE産生能を減少させた。さらに、腸管粘膜固有層リンパ細胞のTh2型サイトカイン産生能を減少させ、OVA特異的IgE産生能を低下させた。以上のことから、経口投与されたSn26は、パイエル板に取り込まれた後、Th1/Th2バランスの改善を介して腸管粘膜でのIgE産生を抑制し、下痢発症を抑制することが推測された。

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参考文献 (30)*注記

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