初診時に特発性食道破裂を疑った降下性壊死性縦隔炎の1例

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タイトル別名
  • A case of descending necrotizing mediastinitis differentiated from boerhaave's disease

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抄録

症例は45歳,スペイン人男性.数日前からの強い咳嗽,腹痛を主訴に近医を受診した.気管支炎の診断で投薬を受けるも,軽快しないため,翌日に当院を受診した.上腹部に圧痛を認め,胸部CTにて縦隔炎,左膿胸を認めた.当初は特発性食道破裂を疑い手術を施行したが,明らかな穿孔は認めなかった.6日後,頭頸部に及ぶ膿瘍形成,および現病歴の聴取から降下性壊死性縦隔炎と診断した.頸部までのドレナージを追加することで全身状態は改善傾向を示し,第95病日に退院となった.降下性壊死性縦隔炎は重篤な経過をたどる疾患であり,特発性食道破裂を疑った場合,降下性壊死性縦隔炎を鑑別に挙げ,詳細な病歴の聴取および頭頸部までの画像検索が鑑別には重要と考えられ,若干の文献的考察を加えて報告する.

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参考文献 (22)*注記

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