腎Tubulocystic carcinomaの1例

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タイトル別名
  • TUBULOCYSTIC CARCINOMA OF THE KIDNEY
  • 症例報告 腎Tubulocystic carcinomaの1例
  • ショウレイ ホウコク ジンTubulocystic carcinoma ノ 1レイ

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抄録

患者は55歳男性.肉眼的血尿,右腰痛を契機に発見された右腎癌でリンパ節・骨・肺転移を認めた(cT1bN1M1).経腹膜的右腎摘除術を施行した.病理組織診断でCD10,P504S,CK19陽性でありTubulocystic carcinoma(pT3a)と診断した.転移巣に対する治療でSunitinibを投与し,CTで腫瘍縮小(部分奏功;PR)を認めた.術後12カ月現在増悪なく治療継続中である.Tubulocystic carcinomaはlow-grade collecting duct carcinomaとAminらが紹介したものに相当し,2004年のWorld Health Organization(WHO)分類に含まれていないまれな腫瘍である.組織学的には,腫瘍細胞は立方体から扁平の形状で嚢胞を取り囲んでおり,大きな核小体と好酸性か両染性の細胞質を有し,軽度の細胞異型があり,その中にHobnail型細胞も認められる.免疫組織学的には,Tubulocystic carcinomaは近位尿細管マーカー(CD10,P504S)と遠位尿細管マーカー/集合管マーカー(Parvalbumin,CK19)の両方に染色されるのが特徴である.この腫瘍は増殖性に乏しい病理組織所見を呈するが,転移・浸潤しやすい性質を持つとされる.転移に対する治療法は確立されていないが,本症例ではSunitinibが有効であった.<br>

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参考文献 (18)*注記

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