癌性胸膜炎に併発した難治性気胸の1例

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タイトル別名
  • A case of intractable pneumothorax caused by carcinomatous pleuritis

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抄録

症例は92歳女性.労作時呼吸困難に対し胸部X線写真が施行され,左気胸の診断にて当科へ紹介となった.胸腔ドレナージによる保存的加療では改善が得られず,手術の予定となった.術前精査での胸部CTにて,左肺上葉に画像診断上原発性肺癌と考えられる結節影が指摘された.その他肺野には気胸の原因となるような病変は指摘されず,手術にて腫瘍を含めた楔状切除を施行した.病理診断にて原発性肺癌と診断され,また,術中所見と合わせすでに癌性胸膜炎を来たしているものと判断された.術後エアリークは消失していたが,術後2日目からエアリークが再発し,最終的に癒着療法を施行した難治性気胸の1例であった.原発性肺癌に併発した気胸についての報告は散見されるが,癌性胸膜炎を来たした段階で気胸の手術が施行された報告はなく,また,癌性胸膜炎により気胸が難治性であった可能性も疑われるため,若干の文献的考察を加え報告する.

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参考文献 (15)*注記

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