捺印細胞診にて推定しえた EB ウイルス陽性 T 細胞性膿胸関連リンパ腫の 1 例

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  • A case of T-cell pyothorax-associated lymphoma with Epstein-Barr virus infection diagnosed by imprint cytology

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抄録

背景 : 膿胸関連リンパ腫は, 肺結核性慢性膿胸や肺結核治療としての人工気胸術後の慢性膿胸壁に発生する悪性リンパ腫である. 大部分は B 細胞性であり T 細胞性はまれである. 今回われわれは胸壁腫瘤捺印細胞診にて推定しえた EB ウイルス陽性 T 細胞性膿胸関連リンパ腫の 1 例を経験したので報告する.<br>症例 : 86 歳, 男性. 27 歳時に肺結核に対して左人工気胸術を受けた. 2009 年になり左季肋部痛が出現し近医を受診, 慢性膿胸と胸壁腫瘤を指摘され, 当院を紹介受診した. 診断目的に施行された胸壁腫瘤の切開生検時の捺印細胞診では, 細胞形態ならびに免疫細胞化学染色の結果を総合的に判断して EB ウイルス陽性 T 細胞性リンパ腫を推定した. また, 病理組織所見, 免疫組織化学所見から peripheral T-cell lymphoma, not otherwise specified と確定診断した.<br>結論 : 膿胸関連リンパ腫のなかでも非常にまれな T 細胞性を経験した. 捺印細胞診においても積極的に免疫細胞化学染色を併用することで, リンパ腫のタイプや EB ウイルス感染の有無を推定することができた貴重な症例と考える.

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