《美術染織》概念の成立経緯 The Concept and the Terminology of "Art Textile" in the Meiji Era, Japan

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抄録

「美術染織」とは、明治から大正時代にかけて制作された絵画的な染織作品であり、近代染織を語る上で重要な存在である。本稿では明治時代初期から1893 年(明治26 年)頃を対象にし、国内外の博覧会に出品された染織作品について検討を行った。1876 年(明治9年)フィラデルフィア万博出品の成功を受けて、内国博には多くの絵画的な染織作品が出品された。また業者によって積極的に新しい技術の開発が行われ、1882 年(明治15年) 前後にはますますこの傾向が強まった。1886 年(明治19 年)京都色染織物繍纈共進会の出品分類に現れた「美術色染」「美術織物」の語は、染織分野に初めて「美術」の語が持ち込まれた例であり、はじめて《美術染織》概念が誕生した。1889 年(明治22 年) パリ万博では染織作品が「美術」とは認められなかった。しかし1893 年(明治26 年) シカゴ万博において、平面的かつ大型で、観賞用の性質が強い作品が美術部出品を果たし「美術的織物」と呼ばれ絶賛された。このシカゴ万博を機会に《美術染織》の概念と「平面」、「大型」、「鑑賞用」という作品形式が確立した。

This paper reports the developmental process of "Art Textiles" in the Meiji Era. The Japanese textiles exhibited at the Philadelphia Exposition of 1876 were highly evaluated. In the exhibition classification of Kyoto Exhibition for Textiles of 1886, the terms "Art Color Dye" and "Art Textiles" in the dye and textiles section appeared for the first time. This was the first time the term "Art" was used for Japanese textile works, which was novel. The concept "Art Textiles" was then established. Large-scale textiles for ornamental use were exhibited at the Chicago Exposition of 1893 in the Art Section. These works received high praise. The concept of "Art Textiles" and the work form of "Large-scale" and "for artistic value" were established as a result of the Chicago Exposition.

収録刊行物

  • デザイン学研究

    デザイン学研究 58(6), 51-60, 2012-03-31

    日本デザイン学会

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キーワード

各種コード

  • NII論文ID(NAID)
    10030136788
  • NII書誌ID(NCID)
    AN00150292
  • 本文言語コード
    JPN
  • 資料種別
    ART
  • ISSN
    09108173
  • データ提供元
    CJP書誌  J-STAGE 
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